かんさつ日記

ヴィジュアル系バンドのライブレポートを中心に放流中。

2021.06.05 DIR EN GREY “疎外” at 東京ガーデンシアター

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↑鏡張りでカッコいいのにプライバシーに配慮するとぼかしだらけになってしまう!

【日程】2021年6月5日(土)
【会場】東京ガーデンシアター
【時間】開場17:00 開演18:00
【料金】全席指定 9,800円


2021年5月6日に予定されていたライブの振替公演であり、約1年4ヶ月ぶり(国内では約1年7ヶ月ぶり)の有観客ライブでした。
会場は2020年6月にオープンしたばかりでまだピカピカです。

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ロッカーはハンドバッグが入るかな?くらいの小さめサイズに見えたけれど数はたくさん。駅周辺やホテルまわりにもあるので、ロッカー難民にはなりにくそう。
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ホール内は3階建て構造なんですが、アリーナが2階、2階席が3階、3階席が4階にあります。
素人耳ですが音はかなりいいと思います! この日わたしは3階席だったのですが、各プレイヤーの音がクリアでありながらヌケと広がりも感じられて心地よかったです。肉眼でメンバーの表情をとらえることは難しいものの、人の頭で遮られたりということもなくステージ全体が見やすかった。アリーナはスタンディング形式にもなるそうなので、新木場やZeppとあわせてこの会場でやることも多くなるのかなと思いました。


ライブは18:10を過ぎたころに暗転。
開演前に暗幕を数人のスタッフさんがガッツリ押さえていたのですが、なんと「DOZING GREEN (Acoustic Ver.)」で板付きスタートでした。Dieさんが赤い(衣装)!


ある種この「DOZING GREEN (Acoustic Ver.)」は序曲のような印象でした。というのも次に演奏されたのが「絶縁体」で。静謐なアルペジオが響きわたり、いよいよDIR EN GREYが始まるのだな……と緊張感が高まっていく。音が良すぎて“信じる事!”の楽器隊コーラスがめちゃくちゃ聴こえる。“信じる事!” “そうそれだけだ!”の掛け合いが生々しく、メンバーがいる!というのを実感できた瞬間でもありました。アウトロでは溶けかかった氷のDIR EN GREYロゴがバックヴィジョンに映し出され、大きな拍手が(ヴィジョンも鮮明でとってもきれい)。


「空谷の跫音」はボロボロ泣けてしまった。前に聴いたのいつだったか忘れてしまったんだけど、こうやってホールでじっくり聴くと余計に沁みる。サビでは夜空に浮かび上がるコムローイの映像。これがスタンド席から見下ろすと本当に光が上空へ上がってきているように見えてとても美しくて。バンドを超えた神聖な儀式のようで、ぐわーっと空間が浄化されていくようだった。


「人間を被る」からはいわゆる激しい曲ゾーン。声を出さなければスタンディングOK、手あげるのOK、ヘドバンOKだったのでフロアのエンジンがかかり始める。この曲はMVがちょこちょこ映し出されていた気がします。


「Devote My Life」は新規映像。禍々しい緑色のオリンピック・シンボルがドロドロと溶けていったり、『進○の巨人』に出てくる巨人のような大きな赤ん坊(CG)が、燃える街の中で空から降ってくる紙幣や金貨に群がって取り合いをしていたり。


「Ranunculus」からはまた雰囲気がガラッと変わる。曲が進むにつれて、京さんの歌声が嗚咽のように変わっていって、床に崩れ落ちて声をしぼり出す。


「谿壑の欲」は一部歌詩がヴィジョンに映し出されていたのですが、京さんは歌詩替えで歌っていました。“血溜まりの中 眼を覚まし”のところでお立ち台にポツンと立っていて、表情は遠くて見えないのにオーラがすごくてニタァと嗤っているように見えた。ラストの“そして次に誰かがこう言うの”の部分を京さんが“こう叫ぶ”と歌い替えて「早く死ね!」とシャウト。


「The World of Mercy」は外枠の黒塗りで規制されつつもMVがバックに。中盤、自傷してしまうのではないかと思うくらい京さんが鬼気迫る雰囲気でハラハラ(アンコールで明るくなってから気づくのですが、このときに血糊?で真っ赤になっていた模様)。マイクを床にゴッ!と落としたりもこの曲のときだったかなと思います。会場の音が良いために、スタンド席にいてもすぐ隣でマイクを落とされたかのようにクリアに聴こえて、わたしも近くにいた人もビクッとなってました……。


そして新曲の「朧」。イントロで糸のように細く赤いレーザーが交差する。バックにはMVが流れていました。すでに観たことのある映像でありながら、インパクトがあるので映像観ちゃうんですよね。そっちに引っ張られて正直あまり記憶がない! ちなみにお立ち台の下にはこのMVに出てきた大きな腹と足?のオブジェがありました。終演後明るくなってから気づくという。


本編ラストは「かすみ」「朧」には「リンクしているのかな?」と思わせる歌詩が存在するためそこまで驚くことではないのかもしれませんが、わりとフラットな状態で観ていたので不意をつかれてうわ〜〜〜〜〜!となりました。映像は大きな枝ぶりの木と人々の影絵。



アンコールももちろん声出しはなしで拍手(手拍子)のみ。本編中もここは世界重視のターン!ってところ以外はほぼ1曲ごとに拍手が起きていました。


メンバーが再び姿を現し、京さんがお立ち台の天面にマイクをガリッと擦りつけるとフッと静かになる客席。
「Followers」では京さんとともにオーディエンスが手を翳す。


「OBSUCURE」からは徐々にヒートアップ。ヘドバン率高し。この曲のときか忘れちゃったけれどToshiyaさんがベースを大きく持ち上げてぐるんぐるんと2回転していたのが大迫力でした。映像はMVがところどころ挟み込まれていて、曲は再構築されているものの少し懐かしい気持ちに。


「落ちた事のある空」ではモノクロでメンバーの5分割映像。このとき初めて薫さんが、かっちり固めたヘアスタイルであることを知る。激シブ。「Sustain the untruth」では京さんが上手→下手へ移動し、顔をあげて2〜3階席へも檄を飛ばす。


コロナ以前のライブでは最後に「ひとつになれるか!」というコール&レスポンスがあるけれど、この日は「ラスト!」と京さんが何度か叫び、それに呼応するかたちでオーディエンスが思い思いに拳を突き上げたり、拍手を贈ったりするスタイルでした。
ラストに選ばれたのは激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇。今度はカラーの5分割メンバー映像。このときに京さんがいつのまにか血まみれなことを知る。上手にきた薫さんが、Dieさんに蹴りを入れるフリをする微笑ましい場面も。


ピックやペットボトルを投げ入れることももちろんなしで、客席から贈られる拍手にメンバーが手を挙げて応え終演でした。Toshiyaさんはお腹に手を当ててお辞儀をしていて紳士……。京さんはお立ち台の上で両手を高く挙げ拍手していました。


メンバーがステージを後にすると暗転し、ヴィジョンに告知映像が。アマゾンの奥地ような川を探検隊?がボートで進んでいくようなシーンが映し出されたあとに、12都市16公演の秋ツアー“TOUR21 DESPERATE”が発表されました。
“DESPERATE”には「自暴自棄の」「死に物狂いの」「絶望的な」といった意味があるようなのですが、調べてみた中では「やけくそな」という表現が自分の中ではしっくりきました。閉じこもって内へ内へというよりも、やれることをやるだけという「闘気」をライブを観て感じたので。


やはり生のライブは、自宅で映像を観ることとはまったく異なるものだということを再確認した夜でした。疎外された世界に1人きりだと思っていたのに、いざ外に出てみたらこんなにも同志が!というような感動がある。先行き不透明な世の中ですが、また無事に再会できることを切に願うばかりですね。

【SET LIST】
01. DOZING GREEN (Acoustic Ver.)
02. 絶縁体
03. 空谷の跫音

04. 人間を被る
05. Devote My Life
06. CLEVER SLEAZOID
07. DIFFERENT SENSE
08. 赫

09. Ranunculus
10. 谿壑の欲
11. The World of Mercy

12. 朧
13. かすみ

ーENー
14. Followers
15. OBSCURE
16. 落ちた事のある空
17. Sustain the untruth
18. 激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇

『ミスト』感想文

ミスト Blu-ray

ミスト Blu-ray

『ミスト』

原題:The Mist
監督:フランク・ダラボン
2008年5月10日 日本公開


【雑なあらすじ】
・激しい嵐の夜が明け霧が立ち込める朝。湖のほとりに住むデヴィッドは妻に家を任せ、息子と隣人とともにスーパーマーケットに買出しへ。

・突如スーパーマーケットを襲う地震。「霧の中になにかがいる!」と男が逃げ込こんでくる。

・徐々に明らかになっていく「なにか」の正体。はたして人々は生き残れるのか!


たまーに霧に覆われる日があると、必ずといっていいほど誰かしらが「『ミスト』みたい」と言う。タイトルだけは知っていたので「あーホントだー」くらいに流していたんですが、なんでもっと早く観なかったのかと。めちゃくちゃおもろいやんけ!


2008年の公開当時も自分のまわりでは話題になった記憶がまったくない。Twitterもまだ普及してなかったから情報が入らなかったのかなぁ? というか、原作の小説が80年代に発表されただけで映画はわりと最近の作品なんですね。


なぜかわたしは、これまでずっと幽霊系のホラーだと思ってて。でも、実際観てみたら全然違った。謎生物系かー! 造形はCGだと思うんだけど、クオリティはそんなに高くない。よってあまり怖くはない。


そのぶんストーリーのテンポと、キャスティング含め登場人物のキャラ立ちがしっかりしている印象だった。


主人公の手助けをするスーパーの店長が、のちのハリー・ポッターのドビー(の声優)だったり、家に残した子供を心配して1人霧の中に消えていく女性がウォーキング・デッドのキャロルだったり(役どころも似てる)するのもおもしろかった。


狭いスーパーの店内でずっと宗教演説をして「生贄を捧げよ」とまで言い出す女がいるんですが、恐怖ゆえにだんだんと信者になっていく人もいればそうでない人もいて。そんなパニックになりかけているスーパーで、「人間は生まれつき善良だ」と主張する女性に、おじいさんや店長が「恐怖にさらされると人はどんなことでもする」「部屋に2人以上いれば最後は殺し合うんだ。そのために宗教と政治がある」と諭すんだけど、そのセリフが特に印象に残った。いわゆる「人間がいちばん怖い」ってやつですな。
ラストシーンは後味悪めだけど、「最後まで希望を捨てるな」ってことかな〜と思いました。


こういう映画を観ると毎回思うんだけど、もし日本で街が怪物とかゾンビだらけになったらみんなどうするんだろう? 海外映画だと誰かが銃を持っててある程度はなんとかなるけど、日本だと個人で戦う術ってなくないですか? 素手? 死ぬ気しかしない😇😇 2019年も無事生き残れますように!

2018.05.12 京 個展〜子宮で視る脳排泄〜 at 渋谷ギャラリー・ルデコ


【日程】2018年5月9日(水)〜5月19日(土)
【会場】ギャラリー・ルデコ
【時間】■第一部11:00~13:00 ■第二部13:30~15:30 ■第三部16:00~18:00
【料金】5,400円


写真集『失格弐』と絵本『TheZemeckises』の発売を記念して、渋谷ギャラリー・ルデコで11日間にわたり開催された京さん(DIR EN GREY、sukekiyo)の個展“子宮で視る脳排泄”に行ってきた。

「開催期間中は個展の内容を口外しないように」という御触れがあったため、言いたくても言えないジレンマに苛まれていたので(おおげさ)、記録も兼ねておぼえていることを書いておこうと思います〜。



ニュースサイトにもたくさん取り上げられていました。

natalie.mu
www.barks.jp
www.nikkansports.com




個展は2時間区切りの3部制で、チケットの整理番号は1部が101〜、2部は201〜、3部が301〜と割り振られていました。全館貸切で、フロアは下記のような構成。

6F エントランスフロア
5F 失格弐フロア
4F ゼメキス家フロア
3F グッズ販売フロア
B1F マダラニンゲン&DUMMYフロア


9名ずつ小さなエレベーターに案内され、6Fのエントランスまで上がります。
↓まさにこの擬ペニュちゃんが乗っているエレベーター。


6Fはエントランスフロア兼、映像上映コーナーであり、DIR EN GREYやsukekiyoのライブ映像が流れていました。友達同士で来ている人も多かったけれど、みんな喋らずじっとしてたり映像観てたりするから、怪しいセミナーみたいで少しシュール。

整理番号順に呼ばれ、入場特典の入った袋とオリジナルラベルのミネラルウォーターのペットボトルを受け取り、いざ出陣。このあとは階段を使っての移動になり、自由行動でした。各フロアについて書いていこうと思いますが、行った順に書くので順序はバラバラです!


3F グッズ販売フロア

まずはここへ。入ってすぐ、インパクト大すぎるお姿の京さんがお出迎え・・・。写真撮影OKの大きなパネル。

よく見るとフリルシャツ着てるんですよね。変態貴族!


個展グッズ、漆黒の箱(ガチャガチャ)、写真集&絵本の受付と列が分かれていたのでスムーズに用事を済ませられました。京さんパネルを撮影する人もいるので、写真の前はふさがないようみんなで自主的に空間を空けたりもしていて和やかな雰囲気。



5F 失格弐フロア

黒い暗幕をくぐると入り口で待機しているスタッフさんがいて、赤い懐中電灯を手渡される。ハンディタイプではなく昔ながらのゴツくて大きいやつ。オレンジ色っぽい光だったような。↓こんな感じの。


精肉工場のようなビニール製の赤い短冊状のカーテンを抜けると部屋の中は暗い。壁に掛けられた写真に自分で懐中電灯の光を当てて鑑賞するスタイルでした。BGMはオリエンタルな雰囲気の電子音楽

展示されていた写真は、写真集に収録されるものだと思うのであまり多くは語りませんが、メインビジュアルのおどろおどろしい写真から、フォーマル風な衣装のキレイ目な写真までバラエティに富んでいました。

暗闇の中では全体像が不明瞭な暗めの写真も多めにセレクトされいたように思います。光を当てることによって、鋭い眼光や流し目が露わになったりしてドキリとした。

進んでいくと、メインビジュアルの撮影風景映像が壁に映し出されていました。どうぞご覧ください!という感じではなく、斜めかつ部屋の橋の梁に映し出されていたので、あくまで演出のひとつみたいな感じ。開口器をはめてニヤッとした笑みをカメラに向けていらっしゃった……。

その付近には実際に触れることができるなにやら怪しげなコーナーも。なんと京さんのデスマスクならぬライフマスク!

クリーム色のシリコン性マスクが4枚ほどワイヤーで吊るされていて、その下には白いボックスが鎮座しており、まるで血のような赤い液体が注がれた中に京さんの石膏マスクが浮かんでいる。ボックスには「ご自由にお触りください」とのプレートが。

赤い液体がそれはそれは見事な血液色で、えーっこれ触らせるん!?とびっくりしつつも触れてみると、液体だと思っていたのはスライムで、汚れない仕様になっていました。

京さんの石膏マスクにスライムの赤色をつけたり、マスクを撫でてみたり、顔についたスライムを取り除いたり、と人によってとる行動が違うと思うのでおもしろい展示だなーと思いました。石膏マスクは鼻骨が少し出っ張っていたり、顔の大きさが自分の手のひらより若干はみ出すくらいだったりで、あ〜京さんも人間なんだな良かったな〜(?)と安心しました。にんげーん…にんげーん……。

ちなみに液体は手につかないと書いたけれど若干つきます。

本当に血みたいで会場を出たあとは職質されないか心配でしたね・・・。



4F ゼメキス家フロア

ドレープたっぷりのチョコレートブラウンの両開きカーテンがリボンでくくられていて、上には「The Zemeckises」の看板。入り口はかわいい雰囲気。

中はグロかわ。今回発売される絵本の挿絵(よって作画担当の指吸さんの絵なはず)の大きなパネルの展示でした。

ペニュやホイたちの絵に混じって、裸の女性が魔女狩りのように火あぶりになっているハードな絵もあったんですが、あれはなんだったんだろう? マイエル(ママ)の前身の姿とか?
マイエルだ!とわかる絵には、瞳の中に恐怖の表情を浮かべる人も描き込まれていたのが印象的でした。

順路の途中には、sukekiyoのライブで使っているものと思われる白いブラウン管テレビに、これまでのゼメキス家のアニメーションが映し出されていました。人が多かったので流し見しかしていないのですが新作も流れてたのかな。

それと、いちばんテンション上がったのはホドロ(パパ)の大きなオブジェ! 高さ80〜100cmくらいのサイズかなと思います。目玉部分がボウッと赤く点滅していた! 家族全員作ってほしい・・・。



B1F マダラニンゲン&DUMMYフロア

マダラニンゲンとDUMMYの期間限定ショップ。店内はピンクの照明でした。ポストカードを購入。




6F エントランスフロア

ラストは再びエントランスフロアへ。展示案内リーフレットはなかったので、見落としている箇所はないかなと自分で調べていたら、インタビュー映像を観ていないことに気がついて再度6階まで階段を昇る。

ライブ映像が15分くらい→インタビュー映像というようにリピートされているようで、アタマから観られるかは完全にタイミング任せだったんですが、運良くいい時間に滑り込めました。入場時にはなかったロングベンチも置かれていて、座って観られるようになっていました。スクリーンの右下には、sukekiyoのライブで登場した清水真理さん制作のドールがちょこんと座っていました。


わたしがちょうどフロアに入ったときには2/16のsukekiyo赤坂公演の映像か流れていて、「嬲り」の映像も観られたんですよね。この映像売ってくれー!


そしてお待ちかねのインタビュー映像。京さんはクリアブルーレンズのサングラスにハーフパンツとラフなファッション。膝小僧にかさぶた(!)。脚を組んでいるからめちゃくちゃ太もも見えている。

聞き手は元DIR EN GREYローディーであり、絵本の挿絵担当のYUBISUIこと指吸知さん(だるま画伯)。インタビューの中で京さんが「元ローディーのYUBISUIです」とカメラに向かって紹介していました。

撮影は、今まさに我々がいるフロアで行なわれた模様。同じ場所にいたんだーと不思議な感覚。自然光の中でのインタビューってめずらしい気がする。しかも個展開催の前日(5/8)に撮影したらしい……ギリギリすぎる! まだ準備が終わってないというようなお話もされていました(笑)。

【インタビュー映像要約】

  • 個展タイトル(“子宮で視る脳排泄”)は、目だけでなく身体で感じてほしいという意味でつけた。
  • 今回の写真集の撮影は前作(2013年発売の『失格』)のすぐあとくらいから撮り始めた。
  • ゼメキス家の中で親近感が湧くのはホイ。人のものを欲しがったり欲が強いところが自分と似ている。ホイがいちばん人間っぽいと思う。
  • ゼメキス家のキャラクターと一緒に住むならペニュ(どうしても選ばなきゃいけないなら、、というニュアンス)。でもお菓子で部屋をいっぱいにされそう。部屋が汚いのイヤなんで……。
  • 指吸さんとしては、ゼメキス家のキャラはわりと描きやすかった。線とか、(ライミの)「犬」とかおもしろい。描いていると、ローディーをしていたときに一緒にフィギュアとか見に行ったなぁとか、京さんこういうの好きだったなぁとか思い出す。
  • 京さんから見ると、指吸さんは描き込みがすごい。ママの目の中とかも。
  • 今も描いてます!と笑う指吸さん(笑)。


なんだか京さんと指吸さんの波長が似ていて、おだやか〜ほんわか〜なごやか〜な、笑顔の多いインタビュー映像でした。とても良かった!




入場特典はお面(人間を被る?)、輪ゴム×2、オリジナルラベルのミネラルウォーター、デザインチケット。


お面の裏には怪しいお札。


以上、そんな感じの子宮で視る脳排泄でした。

2018.03.20 DISH・L'eprica“思考回路#2”at 高円寺HIGH

2010年10月以来、約7年半ぶりに開催されたDISHとL'epricaによる2マンライブ・・・†
看板の写真撮ったら暗さでピンボケしてガラケーで撮影した写真みたいになってしまった。

【日程】2018年3月20日(火)
【会場】高円寺HIGH
【時間】開場18:30 開演19:00
【料金】前売3,000円(D別) 当日3,500円(D別)学生無料
【出演】DISH / L'eprica

総動員数30人CRYだった・・・。学生無料なのに・・・。


L'eprica

先攻はL'eprica(8年前の前回は後攻だったらしい)。活動再開してからは初めて観た。メンバー全員黒い衣装。活休前のイメージが強かったから、ギターのXiNさんが白髪ふわふわロングのウィッグではなく黒髪短髪になっていて誰かわからなかった! メンバーチェンジしたのかと思った。Be...Sさんはオールバックでドラミングもキレがあってカッコ良かった。


ラルクの「The Forth Avenue Cafe」の雰囲気を感じる曲が2曲くらいあった。前の自分のブログ読んだらそのときも「Florence」に対してそう思ったらしい。なんだろう、四番街の呪いか・・・?


Rayaさんのステージドリンクはコカコーラ。「Draw Pain」の前だったか、それを飲みながら「高円寺HIGH〜! ハイになろうぜ!」と煽り出すからニヤニヤしてしまった。


個人的にはL'epricaはバラードが好きだなー。「via dolorosa」とか、最後にやった「凛」とか。でも、この「凛」のときにフロア後方でフードのたこ焼きが焼き始まって、ジュージューいう音とこうばしい香りが漂ってきて、曲のきれいなイメージがたこ焼きに全部持っていかれてしまったよね・・・。




DISH

後攻はDISH。
L'epricaがフワッとしてたから、ギャーン!とギターが鳴った瞬間ビリビリきた。この緊迫感よ。


カミソリで切りつけられるみたいな、飄々としていて迷いのない音だなと思った。たとえ観客が1人だったとしてもブレないんだろうなーと。ステージでスポットライト浴びたシビィさんはTHEギタリスト!って佇まいでシルエットがきれい。


わりと新しめの曲である「ベイビーリストカッターはめずらしく同期入りなんですが、ライブで聴いたらギターの轟音も負けてなくてカッコ良かった。女性のセリフ入りの間奏部分は、オイヌマさんのベースソロでシビィさんは上手でしゃがんで手拍子したり。キリちゃんのドラムも男性ドラマーに引けを取らない迫力だった。


シューゲイズ色のある「ComeDown」の照明は逆光でメンバーのシルエットがうっすらと浮かび上がる。ずっと光に包まれていて、トリップできそうだった。


「SNOW EMOTION」のイントロでシビィさんのストラップが外れて一回演奏を止めたんですが、「約束の春に」とセリフを入れて仕切り直し。季節的にこの曲聴きたかったから聴けて良かった。このときあらためて思ったけどDISHって季節感のある曲が多い(このライブの数日後に発表されたけれど、4/8のワンマンは春夏秋冬で部?が区切られるみたい)。


「メロウイエロウ」は曲名通りイエローの照明。サポートメンバーの人柄も影響するのか、どことなくイノセントさや優しさが増して聴こえた。
ラストは「LIVINGDEAD GIRLFRIEND」で、シビィさんの「跳べ!」の号令でジャンプしたり。清々しいライブだった。





アンコールはこちらがかける間もなく、メンバーみずから秒で出てきてくださった(笑)。


L'epricaからはRayaさんが登場。この2マン開催の経緯は、シビィさんがひさびさにRayaさんに連絡してやることになったみたいな話だったかな。Rayaさんはポヤ〜ンとした返事をしたみたいで、シビィさんに「相変わらずなにも考えてない(笑)」と言われていた。


DISHとL'epricaの2マンは2007年に“思考回路”として行なわれていて、今回は#2となるわけです。シビィさんは前回の2マンでのアンコールでなんの曲をやったか思い出せず、「DISH L'eprica 思考回路」で検索して人のブログにたどり着いたりしたらしい。
「前の2マン来た人いる? メルスタシーは10年前か? 来た人いる? (数人手が挙がって)もう10年の付き合いなんですね」「7年後にまた2マンやるとしたら俺ら25? 前回は小5でしたね・・・」とシビィさん。


Rayaさんは「前回のアンコールは、ディスコがなんちゃら(「DISCO BEAT EMOTION」だと思われる)をやった!」と言ってたけど、それはDISHのライブ中に乱入しただけだと判明。シビィさんは「L'epricaのダンダンダラッラ♪ダンダンダラッラ♪って曲(「Draw Pain」)が好き」だそう。


そんなシビィさんとRayaさんとDISHサポのオイヌマさんは4/17の手刀で「PENISIVYIN」なるセッションをやるそうで。シビィさんはシ聖になるべく腿を脱毛中とのこと・・・† 「ファンデーション塗ればきれいになる!」だそうです。
「オイちゃんは下の名前がヒロキだから、OISHOではなくそのままヒロキにすれば良かったねー」みたいな話もしてました(本家PENICILLINのサポートベースがHIROKIさん)。


シビィさんは曲を始める糸口を探っていたけれど、Rayaさんがフワッとしてるからなかなかアンコールにいかずでした(笑)。2人に間が生まれたときも、たこ焼きの焼ける音が響いていて、さすがにシビィさんがツッコんでいた。ちなみにたこ焼き担当さんは遅刻したらしい。


そんなゆるーい雰囲気でしたが、「8年前に作ったラブソングを」ということで「インダストリアルハニィ」ツインボーカルで披露。ブレイクでは、「今日のお酒が飲めるのは! オイヌマさんのおかげです! そーれイッキ! イッキ!」と缶ビール一気飲みタイムも。和気あいあいとした2マンでした。


何年後かの思考回路#3にも期待・・・。

『Pro9-治験』感想文

Pro9-治験 [DVD]

Pro9-治験 [DVD]

『Pro9-治験』

原題:The Facility
監督:イアン・クラーク
2012年6月23日公開(イギリス)


GYAOで無料配信されていたのでなんとなく鑑賞。


【雑なあらすじ】
・新薬「プロナイン」の治験アルバイトのため、辺鄙な場所にある施設に集まった男女7人

・しかし薬を投与した夜、被験者の1人の皮膚がただれ出血、凶暴化!

・いつ自分にも副作用が現れるかおびえる被験者たち。ナースは逃亡、医者は凶暴化した被験者に殺された! さぁどうする!



日本版のメインヴィジュアルがB級っぽいですが、地味で真面目なメディカルホラーです。
副作用の「凶暴化する」という点については、そんなことあるんか?って感じがしたけど、それ以外はあーそうなるでしょうね、そういう行動になりますよね、って感じで、いたって普通。良く言えばリアル。


7人の被験者たちは、すぐ覚えられるナイスキャラクターで良かった。
ビビりながらも正義感のある真っ当な男子学生の主人公、筋肉バカの不動産屋、治験バイトのプロおじさん、ネタ探しに余念がない女性記者、30代の女性派遣社員(裏の顔はコールガール?)、ロックな金髪女子学生超怖がりな南米系男子学生。


特に主人公を演じていたアナイリン・バーナードがすっごいきれいな顔! お目々が大きい! ストーリーはさておき、顔を見る価値がある。目が大きいので、瞳の動きで見せる演技も良い!



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↑現在は30歳で、最近だと『ダンケルク』にも出ていたらしい。今度観よう。

『ぼぎわんが、来る』感想文

ひさびさに小説を買った。
その名も
『ぼぎわんが、 る』


ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)

ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)


【雑なあらすじ】
・小学6年生の夏、祖父母宅でとある奇妙な体験をする田原少年

・時は過ぎ、結婚し子宝にも恵まれた田原の周りで「ぼぎわん」による怪異が起こり始める

・知り合いの紹介で出会ったオカルトライター&若手女性霊媒師+その姉である最強女性霊媒師とともに「ぼぎわん」について調査を進めるが…。


はい、というわけでホラー小説です。2018年2月24日に文庫化されたばかり。第22回 日本ホラー小説大賞受賞作で、初版は2015年10月発売。


まず、タイトルになっている「ぼぎわん」インパクトよ。個人的には、なんかポップな印象があった、「ぼぎわん」。かわいいやん「ぼぎわん」。


しかし、この「ぼぎわん」、人型のおそろしーいバケモノなのである。『リング』でいう貞子。


話は3章で構成されている。
第1章はサラリーマン田原視点での「訪問者」、第2章は田原の妻・香奈視点での「所有者」、第3章はオカルトライター野崎視点での「部外者」。それぞれ語り部が違うのだ。


以下ネタバレをやや含みます。

続きを読む

『スリー・ビルボード』感想文

初めて映画館のプレミアムフライデーのシステム使った。15時以降1100円。


リバーズ・エッジ』を観ようと思っていたのですが、レビュー読んでたらこっちに興味湧いたので直前で変更した。


スリー・ビルボード

原題:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri
監督:マーティン・マクドナー
2018年2月1日日本公開


はい、まずポスターがカッコいい。どんな映画なのかパッとポスター見ただけじゃわからないのがいい。サスペンス系……かな?みたいな。



【雑なあらすじ】
・田舎町で何者かに娘(ニルヴァーナのファンっぽい)を殺された母親ミルドレッド(勝ち気で短気)が、いつまでも捜査が進まないことに激おこ

・ミルドレッド、ほとんど誰も通らない道にある3つの看板に、警察へ宛てたメッセージ広告を出す

・それによって警察も激おこ、広告屋、元旦那、友達も巻き込んで大騒動!


広告のたかが3文、されど3文。それによって人々が翻弄される。


とはいえ、娘殺しの犯人は誰だ⁉︎というストーリーではなく、その事件を中心に繰り広げられる群像劇。怒り、復讐心、共感、扶助、許し、一縷の希望にすがる……といった「人間」らしい感情、突発的な行動がうまく描かれている。


起承転結の「転」が3回くらい起こるものの、エンディングはゆるやか。
若干もの足りなさはあったけれど、各シーンを振り返ると「人間」の良いところと悪いところが凝縮されているので、あれ、すごい映画だったんじゃ???となる。純文学みたいだなぁとも思った。


ただ、主人公含む約2名が短気すぎる。マジ短気。感情移入できないこれは(個人の感想です)!
でも、逆にそれが客観的に観られる良ポイントだったのかもしれない。