かんさつ日記

ヴィジュアル系バンドのライブレポートを中心に放流中。

『ぼぎわんが、来る』感想文

ひさびさに小説を買った。
その名も
『ぼぎわんが、 る』


ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)

ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)


【雑なあらすじ】
・小学6年生の夏、祖父母宅でとある奇妙な体験をする田原少年

・時は過ぎ、結婚し子宝にも恵まれた田原の周りで「ぼぎわん」による怪異が起こり始める

・知り合いの紹介で出会ったオカルトライター&若手女性霊媒師+その姉である最強女性霊媒師とともに「ぼぎわん」について調査を進めるが…。


はい、というわけでホラー小説です。2018年2月24日に文庫化されたばかり。第22回 日本ホラー小説大賞受賞作で、初版は2015年10月発売。


まず、タイトルになっている「ぼぎわん」インパクトよ。個人的には、なんかポップな印象があった、「ぼぎわん」。かわいいやん「ぼぎわん」。


しかし、この「ぼぎわん」、人型のおそろしーいバケモノなのである。『リング』でいう貞子。


話は3章で構成されている。
第1章はサラリーマン田原視点での「訪問者」、第2章は田原の妻・香奈視点での「所有者」、第3章はオカルトライター野崎視点での「部外者」。それぞれ語り部が違うのだ。


以下ネタバレをやや含みます。


ホラーストーリーって確固とした主人公がいて、最終的にはその主人公が真相にたどり着いたり、バケモノやモンスターと戦うっていうイメージがあったのだけど、この小説に関してはその概念をぶち壊された。


第1章から第2章への移行法がすごい。
そうきたか〜とあっけに取られた。


第3章でバケモノとの戦いはあるんだけども、対峙するのはプロの方。最強女性霊媒師。別の意味で、そうきたか〜と。
この章だけ、いきなり少年漫画っぽいというかラノベっぽいというか、非科学的なダイナミックオカルトファンタジーバトルが繰り広げられるので、好き嫌いが分かれそうだなと思った。


とはいえ、わたしの場合、ページをめくる手が止まらず半日で読み切ってしまったのだけど。


バケモノだけでなく、「家族」を主たるテーマにした人間の闇も描かれている点に加え、「ぼぎわん」が三重県K地方に伝わるバケモノ(という設定)で、それによって民俗学者が登場したり、「ぼぎわん」の名前の由来について調査したりするシーンが出てくるのが好みだった。


オカ板とか洒落怖とか好きな人は、あーこういうの好き!ってなると思う。個人的には、「コトリバコ」が雰囲気近いような気がした。


ただ、あらかた小説の中で謎は解き明かされるものの、「ぼぎわん」の鳴き声?の「ちがつり」「さおい……さむあん」は意味がわからないままだった。意味なんてないのかもしれないけど気になる! 西から来た、みたいな描写があったから、さむあん=someoneか?とか考えたり。気になる!


それと、オカルトライター野崎のペンネームが野崎昆なのは、野崎コン◯ーフから取っているのだろうか? どうでもいいけど気になる!




そんな『ぼぎわんが、来る』ですが、『来る』というタイトルで2019年に映画化が決定しているんですよね。

kuru-movie.jp

監督は『告白』『渇き。』などの中島哲也氏。
フリーライター野崎役で岡田准一さん、野崎の恋人で強い霊感を持つ比嘉真琴役で小松菜奈さん、田原秀樹役で妻夫木聡さん、秀樹の妻・香奈役で黒木華さん、最強の霊媒師・比嘉琴子役で松たか子さんと、豪華キャストが集結。

natalie.mu
↑祝・ジャニーズ顔写真解禁


松たか子さんは『告白』で主演、小松菜奈さんは『渇き。』で重要な役柄を演じていたので(これ観て小松菜奈ちゃんのオーラにやられて好きになった)、今作の『来る』もすごく楽しみ。というか、この映画の予習として『ぼぎわんが、来る』を買ったので。


小説だと真琴はショッキングピンクのショートボブと描写されているんですが、映画ではどうなるんだろう? 菜奈ちゃんのピンクヘア観たいなぁ〜。